結局自分で身を守るしかない
入金が確認できていないのですが
僕は経理も兼任していますが、先日月の半ばの夕方に
「○○(会社名)の△△というものですが、ただいま経理担当者から本日入金分が確認できないということで確認していただきたいのですが」
と、男の人から電話がありました。
その○○という会社名は確かに取引先として実在する名前なので、おそらくなにかで調べたのでしょう。
とっさに会社の電話に表示されている電話番号を見ましたが、埼玉の番号なんです。
本来その会社は東京の会社なので、まずその時点でおかしい。
それに、もともと月末払いの取引先なので、中途半端な時期に入金の有無を確認してくるというのもありえない。
さらに、いきなり携帯電話の番号を教えてきたんですね。
普通は今かけてきているその電話番号を伝えるはずです。
それをわざわざ聞いてもいない携帯電話の番号を教えてくるということは、自宅もしくはそれに近い場所を特定されたくないからかもしれません。
まぁこちらにはその番号が表示されちゃってるんですけどね。
怪し過ぎるし、もう夕方5時を回っていたので、
「確認して明日連絡します」
というと、「いえ、今日じゃないと」
と変に食い下がってきました。
そうこうしているうちに、突然
「あ、また確認して電話します」
と向こうから一方的に切ってきました。
そして案の定、それ以降連絡はありません。
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目的はあくまでもお金
おそらくですが、2人組かなにかで進めていて、「脈がない」と判断したもうひとりが「切れ」と合図をしたんでしょうね。
そもそも、普通は経理上の問題があれば、直接その会社の経理担当者から電話がかかってきます。
なのに「経理担当者から連絡があって」といって別の人間からかけてきたのは、経理の知識がないため、具体的な指摘をされると困るからでしょう。
「こちらで入金が確認できていないからもう一度振り込んでほしい」
「その口座は一時的に使えなくなっている可能性があるからこちらの口座に」
などと押し切って振り込ませることができたら儲けもの、という感じでしょうか。
おそらくそうやって手当たり次第に電話をかけているのでしょう。
なにはともあれ、今回は「穴だらけ」だったので全く動じることなく対処できました。
こちらが動揺して聞かれてもいない具体的な情報を話してしまっては相手の思うツボです。
詐欺の目的は言うまでもなくお金です。
なので、話の内容はどうあれ、お金の話が出てきたら「事実」だけを確認しましょう。
事実だけ確認する
たとえば今回の場合、その会社から請求書はあがってきていました。
なので、相手がその金額を言うことができなければその時点で信用できませんよね。
それから、「経理担当者に言われた」というのであれば、おそらく
「では経理担当の方に代わってください」
と言ったらすぐに電話を切るでしょう。
こちらが具体的な質問攻めにすれば、相手はたちまちしどろもどろになって逃げるしかなくなります。
今回の場合はあまりにも相手が簡単に引き下がったので警察に届けるとか、本当の取引先に確認の電話を入れるということまではしませんでした。
オレオレ詐欺・振り込め詐欺なんかでもそうですが、「今日中に」とか「○時までに」みたいに緊急性を伝えて、相手に冷静に考えさせる時間を与えないという心理手法も巧みに使っています。
なので、
とりあえず一旦電話を切る
身近な人に相談する
この2つは絶対に必要です。
冷静に考えられる状態にすることが最優先ですから。
相手も途中で電話を切られたら、もしかしたらしっぽをつかまれるかもしれないと思って二度とかけてこないでしょう。
だから「確認します」といったまま連絡がこなかったわけです。
特に普段から冷静に判断できるひとに話せると一番いいですね。
あと、ちょっとでも「?」ということがあったら警察に連絡するといいと思います。
ダマされる方が悪い?
ダマす方とダマされる方、どっちが悪いかといったら、ダマす方が悪いに決まっています。
でもダマされたら悔しいし、嫌な思いをします。
なにより、大切なお金をあっさり奪われてしまう。
それは絶対に避けなければなりません。
「いや、自分はそんなことにはならないよ」
と思っていても、ひとは不安とか怖れの感情を刺激されると冷静な判断力を失ってしまう。
ここが一番大事なとこです。
ダマす人というのはそれをわかって仕掛けているわけですから。
僕たちは突然のできごとにはめっぽう弱いんです。
「もしかしたらそういうこともあるかも」という微妙な部分を相手は突いてくる。
ですが現実的には突然お金、それも大金を用意しなければならないような状況になることはめったにありません。
少なくとも、わざわざ本人かどうか確認しにくい状態でそんなことを頼んでくることはありません。
正式な手順を取れないのであれば、それは詐欺だと思って間違いないです。
まとめ
残念ですが、詐欺がこの世界からなくなることはありません。
もちろん、警察もさまざまな呼びかけをしてますよ。
でもどんなに目の細かい網でも穴はありますから。
だからこそ、僕たちは普段から準備しておく必要があるんです。
こちらが参考になります。
警視庁HP「振り込め詐欺等」
だって自分が働いたお金ですよ。
あるいは従業員たちが一生懸命働いて出した利益です。
僕は今回のことも社内で共有しました。
そうやって地道に広げて認識を高めていくしかないのかもしれませんね。
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