もう期待しないで
「こんなに良くしてあげたのに」という言い方をされたことありませんか?あるいはしてしまっているということもあると思います。
恩着せがましい人の最大の特徴は「見返りを求めている」ということです。
これだけのことをあなたにしてあげたのだから、あなたもそれ相応のことをしてくれて当たり前
という心理が根本にある。だからそれに見合った見返りがないと、「あの時はこういうことをしてあげた」ということを言いたくなってしまう。
一見すると他人に尽くしているのですが、それがあまりにも一方的なのでトラブルの原因になりがちです。
人に対する「期待値」が高過ぎる
「あなたのためを思って」と言われると、「いえ、結構です」とは言いにくいものです。
はじめは、こちらのことを考えてくれているのだから感謝しなきゃいけないなと考える。
でも後になって「あの時はこういうことをしてあげた」ということをネチネチと言われると、「あ、結局あの人は見返りがほしくてやっていたんだな」と感じるようになります。
恩着せがましい人は、はじめに誰かのことを助けたいとか力になりたい、という気持ちがあるのではなく、「こういうことをしてあげれば、きっとそれだけの見返りがあるはずだ」という”下心”がある。だからそれが満たされなくてイライラするわけです。
これはすべて人に対する「期待値」が高過ぎるということが原因です。
不満が多い
ではなぜそこまで期待するのでしょうか?
それは一言でいえば不満だからです。不満だから人から認められたいし評価されたいし、自分に足りないと思う部分を埋めてくれるなにかを求めてしまう。
例えば会社で新入社員が入社してきた場合を考えてみます。心から部下の成長を望む上司というのは部下の成長を待つことができる。期待はしているけれども、それは「いずれは独り立ちしてほしい」という愛情からの期待です。
自分がかつて「部下」だった時のことを考えて、自発的に行動できるようになることが大事だと思っているからです。
一方、一見同じように部下を育てているようで、部下から嫌われてしまう上司がいます。それは、部下が育てば自分がラクができるとか、会社に評価されて給料がアップするかもしれない、という下心が見透かされているからです。
「この人は一生懸命育てようとしているように見えるけれども、実は自分のためにやっているだけなんだな」と感じるわけです。
ここまでやってあげている
恩着せがましい人にとっては、「他人にしてあげること」はすべて自分のためですから、常に「自分の努力は報われるべきだ」と思っている。だから人に対しても会社に対しても要求が多くなってしまうんですね。
ただ残念なことに、恩着せがましい人の努力は得てして報われにくいんです。
心からこういうことをしたい、ということではなく、「こんなに犠牲を払っている」と思いながら人と付き合い、仕事をしている。
自分が扱っている商品やサービスを愛しているとか、部下が育ってくれてうれしいとか、そういう心から満足できるような生活を送っていない。「仕方なく」やっていることが多い。
だから、すべてが形だけになってしまうために結果に結びつかないわけです。
子育てでも気を付けたい
僕はこの部分については子育てでも気をつけています。
子供に過剰な期待をしてしまうと、子供はそれを負担に思うようになります。たまに親が自分が叶えられなかった夢を子供に託す、という話を聞きますが、それは時として子供自身が持つ夢を潰してしまうことになりかねません。
親が一定の年齢まで子供の面倒を見るのは当たり前だし、子供が大きくなれば自分の頭で考えて行動するようになり、いつか親元を離れていく。それがごくごく自然な流れです。
「子供の頃あれだけのことをしてやったのに」なんて言いたくないし、子供だってそんなことを言われても困るでしょう。
誰にでもある
じゃあ「恩着せがましい人」と「恩着せがましくない人」という2つのタイプしかないのかといえば、そう単純ではないと思います。
誰にでも、何かに、誰かに必要以上に期待してしまうことはありますし、だからガッカリすることもあれば、期待を上回った時に喜びも大きいわけですから。
そういう意味で、自分の中にも人に恩を着せてしまうようなことをしたり言ったりしてしまっていないか、ときどき振り返るようにしています。
まとめ
これは性格的なものもあるかもしれませんが、僕はあまり人に期待をしません。人を信用していないというわけではないのですが、期待をするとどうしても見返りを求めてしまうし、それが満たされなければイライラしてしまう。
そもそもこちらが勝手に期待したことで誰かを恨んだりイライラしてしまうのは、なんていうか理不尽だなと。そして時間とエネルギーの使い方としても非常にもったいないことだと思ってしまうんです。
なので、人に期待し過ぎないように気を付けています。
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