思い出すほど記憶は定着する
人にものを教えるというのは難しいです。
ただ相手に聞かれたことに答えてあげればいいのか?
いつもすべて教えてあげることが必ずしも相手のためになるわけではありません。
特に子育てではそういうことで悩むことはよくあります。
子供は本当にわからなくて質問してくることもあるのですが、調べたり思い出すのがめんどくさいから聞いてくることもあるんです。
そこを見極めないと、「わからなければ聞けばいいや」と自分の頭で考えなくなってしまいます。
これは職場で部下に仕事を教える時も同じですね。
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思い出させる
娘がピアノを習っているのですが、普段はあまり練習をしません。
初めの頃はやさしい曲ばかりなので、ちょっと練習していればクリアできたんですね。
でも発表会の曲などになるとそう簡単にはいかない。
難しい部分を集中的に練習したり、はじめから何度もおさらいしたりしなければいけません。
子供にはたくさんの誘惑があります。
ゲームやテレビ、漫画の本などです。
娘はピアノを弾くこと自体は好きなんですが、それ以上にゲームとか漫画の本を読むことも好きなんですね。
だからどうしてもそちらを優先してしまう。気持ちはわかりますけどね。
「パパ、いまから練習するからわからないところ教えて」
「...ってそれはいいけど、もう寝る時間だよ」
ということも少なくないです。
ピアノ教室で習ったことを毎日少しずつでも復習していればまったくわからない、ということにはなりません。
ちょっと思い出せば出てくるんです。
でも3日、4日と間を空けるほど記憶はどんどん薄れていきます。
そんなときは僕はどうするか?
簡単には教えません。意地悪しているわけじゃないですよ。
人間は復習をしないと忘れてしまいます。
だからこそまず子供にできる限り思い出させることで、自信をつけさせたいんです。
で、少しでも思い出すことができれば、細かいところを見てあげられます。
憶えた時までさかのぼってみる
そこで僕がゼロから教えたら子供からふたつの経験を奪ってしまうことになります。
- 思い出すこと
- 「わかりません」と先生に伝えること
人間の脳は思い出すことで記憶を再構築します。
記憶のカタマリみたいなものが引き出しにポンと入っているわけじゃないんですね。
思い出す時に頭のなかでもう一度イメージを作り直すんです。
だからこそ、時間をおくとどんどん元の形が崩れてしまう。
でもたとえば1週間前にピアノ教室に行った時のことを思い出す。
楽譜を見ながらそういえばここはこういう風に教わったな、というところまでイメージできてくると、崩れかけていたイメージが元に戻っていきます。
そして思い出すたびにそのイメージははっきりと記憶に残るようになります。記憶は思い出した量に比例して、イメージするための通り道であるパイプを太くするんです。
実際の自分を受け入れさせる
もうひとつは先生に「わからない」「忘れてしまった」と言えること。
娘は先生に弱みを見せたくないらしいんです。
あまり練習していないということを知られたくない。
教わったことを覚えていないと思われたくない。
だから次の練習の日が近づくとあわてて練習をはじめるのです。
娘もわかっているんですよ。練習していないから忘れてしまうってことは。
でも他の誘惑にも勝てない。そしてそういう自分を受け入れたくない。
まぁそういう年頃っていってしまえばそれまでなんですけどね。
自分で「あまり練習してなくて忘れちゃった」ということを先生に言えれば、そういう自分を受け入れざるを得ないわけです。
実際の自分を受け入れることで、自分に足りないこともはっきりします。
何が足りないかわかれば、自分で行動するようになります。
このように、子供がラクをしないようにフォローすることも親の大切な役目じゃないかと思います。
なんでも助けてしまう、与えてしまうということは子供を甘やかすことになります。
まとめ
親であれば持っていて当たり前の感情だと思いますし、それを否定する必要もありません。ただ、それとは別に、子供の成長を第一に考えてあげなければいけない。
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