命令だけじゃ動かない
上司だから、会社の中で偉い立場だからといって部下を簡単に動かすことはできません。
もちろん会社ですから、部下は上司に言われたことに従いますよ。
でもそこに不満や否定的な感情があれば部下はスキルアップしません。
部下を生かせるかどうかは上司のコーチングスキルにかかっています。
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信頼関係を築く
部下と信頼関係を築くということはコーチングの大前提です。
信頼関係なしにどのようなテクニックを駆使ししたところで部下はあなたのやり方に反感を持つことになります。
それはこちらの意図が伝わらないからです。
ただ、部下と信頼関係を築くということは仲良くなるということではありません。
こちらが伝えたいと思うことを共有することです。
そのためには正しい質問をしてあげる必要があります。
正しく質問する
質問には大きく分けて
- クローズドクエスチョン
- オープンクエスチョン
の二つがあります。
これはどちらが優れているというものではなく、状況に応じて使い分ける、あるいは組み合わせることで情報を正しく引き出すことができます。
クローズドクエスチョン
クローズドクエスチョンというのは、「はい」「いいえ」、あるいは「AかBか」で答えられる質問です。
たとえば職場で部下が仕事の悩みを相談しに来た時にこちらがクローズドクエスチョンばかりしてしまうと、部下から得られる情報がかなり限られてしまいます。
一方で、部下に仕事の状況を報告させる場合などはクローズドクエスチョンの方がいいです。
報告書はできてる?
今回のプランはAでいく?それともBでいく?
というように質問が具体的になるために答えが明確になり、あいまいな点を明確にする時にとても有効ですね。
オープンクエスチョン
オープンクエスチョンでは「どうして?」「なぜ?」ということを重視します。
明確な答えを求めるより、相手に考えさせて自分で説明させる。
この時、肯定的な質問をすることで、自然と肯定的な答えが返ってきます。
どうしたら目標を達成できると思う?
得意なことは何?
などの質問を通して、相手が本来もっている能力を引き出すわけです。
このように、肯定的な姿勢を維持させることがコーチングの本質とも言えますね。
共有する
クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンというふたつの質問を上手に組み合わせることで信頼関係の土台ができあがります。
この状態になってはじめて、あなたの言うことが部下に伝わるわけです。
たとえば「なぜその仕事は必要なのか」という説明もそうですし、「もっとこうしてほしい」という要求についてもそうです。
同じことを言っているのに支持される人と支持されない人が出てきてしまうのは信頼関係の有無で影響力に違いが出てくるからです。
こちらが伝えたいことを部下に受け取ってもらう器ができれば、そこで共有できる。
では最終的に共有すべきなのはどんなことなのか?
それはうまくいっているイメージです。
自己評価を上げる
「売上が上がっているイメージ」でもいいですし、部下が「バリバリ仕事をしてどんどんスキルアップしているイメージ」でもいい。
さらに肯定的で「うれしい」とか「楽しい」というような感情が伴うイメージを共有する。
これができると部下は「自分は仕事がデキる」という前提で行動するようになります。
肯定的な自己イメージを持つことはそのまま自信につながるんです。
ねぎらう
とはいえ、仕事ではうまくいくこともあれば失敗してしまうこともあります。
もし失敗してしまったことがあれば、先ほどのクローズドクエスチョンとオープンクエスチョンでうまくいかなかった原因を共有します。
その上で一緒に具体的な問題解決の方法を考えます。
また、失敗してしまったとしても、その中には「できたこと」も必ず含まれていますよね。
その「できたこと」についてはきちんと認めてねぎらいの言葉をかけるということも重要です。
「失敗はしたかもれいないけれども、あなたの努力はちゃんとわかっているよ」ということを伝えることで部下が自ら自己評価を下げてしまうことを防ぐことになります。
まとめ
部下が成長できるかどうかは本人の努力も必要ですが、なにより上司であるあなたのコーチングスキルにかかっています。
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あなたが変われば部下も変わります。
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