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「達成感」が自信を生む
僕たちは仕事でも自分の趣味でも、うまくいかなければ自信がつかない、というわけではありません。
わからなくても、経験が足りなくても自分で考えていろいろ試してみた結果、「このやり方ではうまくいかなかった」という結論に達したとしても、やりきったという達成感は残ります。
ではなぜこの達成感が大切なのかといえば、達成感を得ることが自信につながるからです。
もちろん成功体験があればそれに越したことはありません。
人間の脳というのは実によくできていて、頭の中で過去の記憶をリアルに再現することができます。パソコンに例えるなら、「成功体験」というフォルダがあって、それを開くと「○月○日自分で考えたプロジェクト成功」みたいな動画ファイルがたくさん入っている。
そのファイルを開くと成功体験をもう一度見ることができるわけです。
成功体験という動画を再生すれば、その時に感じた喜びや達成感、誇らしさといったものも思い出すことができます。つまり、「追体験」することができる。このように、過去の成功体験であっても、今の自分に自信を与えることができます。
「失敗体験」もムダにしない
ちなみに、「失敗体験」というフォルダも必ずあると思いますが、このフォルダはただ封印してしまうのはもったいないです。失敗したことには失敗するだけの原因があって、そこから必ず次に生かすための知識とか知恵を得ることができるからです。
ただ、うまくいかなかったことというのは、ネガティブな感情もリンクしているので、必要な知恵だけ取り出したらさっさと閉じてしまいましょう。
僕も若い頃は本当に自分に自信がもてませんでした。それは過去の「失敗体験」のフォルダを何度も開いては「なんて俺はダメなやつなんだろう」と感傷にひたっていたからです。いえ、これは今思えば、ですけどね^^;
「成功体験」を増やす
自分の中に成功体験がたくさんあるほど自信も大きく強く育っていきます。
ではものすごい成功体験をたくさんしなければいけないのか、といえばそんなことはありません。
成功体験は本当に日常のほんのささやかなことでちゃんと蓄積されるんです。
ではそのために必要なことは何か?
小さなゴールをたくさん作ること
です。
大きな目標を立てることも重要ですよ。でもそれがあまりにも大きすぎると、着実にゴールに近づいている、という感覚が得られない。だから「このままでいいのかな」という迷いが生まれてしまいます。
ハードルを下げる
たとえばジョギングで5km走れるようになろうと決めたとします。
普段運動をしていない人がいきなり5km走ろうと思うとかなり長い距離に感じるでしょう。
なので、はじめは1kmを目標にする。
1kmという距離は、ちょっと大きめの公園なら一周すれば1kmくらいでしょうか(「公園1周する」という目標もアリです)。
1kmという目標であれば、それほど時間も労力もかからないのでハードルは低いと思います。たとえハードルは低くても、「決めた目標を達成した」という達成感は残ります。
たとえばこれを土日だけ続ければ、「今月は土日すべての目標を達成した」という達成感が得られます。これが小さなゴールを作る、ということです。
この達成感の積み重ねで「自分は決めたことを達成できる」という自信がうまれるわけです。
これを続けていく中で、じゃあもう一日増やしてみようとか、そろそろ2kmにチャレンジしようと思うわけですが、それはあくまでも1kmで得た自信があるからチャレンジしようという意欲が生まれるんですね。
成功体験を使い回す
面白いもので、成功体験というのは使い回しができるんです。
ジョギングで得た自信を仕事に生かす、子供の頃にほめられた記憶で勉強を続ける、といった具合です。
このように、
小さなゴールを作って達成する
この二つを上手に組み合わせることで、大変なことをやらなくても、自信をもつことができます。
まとめ
他人から褒められたり認められても自信はつくのですが、内心「いや、それでもこういう部分が足りないし」とネガティブな思考を持っていると、すぐに元に戻ってしまう。
なので、元に戻らないように自信をつけるためには、自分が自分自身を評価する習慣を作るのが一番です。
だからこそ、せっかく自分の中に小さな成功体験があるなら、それを有効活用すべきだし、日々小さなゴールを作って達成していくことで、その自信は強固なものに変わっていきます。
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