相手のイスに座ってみる
NLP(神経言語プログラミング)には「ポジション・チェンジ」という考え方があります。
イスを用意し、それぞれのイスに具体的な人物像を当てはめます。
そこへ順番に座っていって、それぞれの立場で周りがどう見えているかを感じてみよう、ということです。
このポジション・チェンジを使うことでこんなメリットが生まれます。
- 他人の苦労が見えるようになる
- 自分が行動して解決するようになる
- 相手の意図が理解できるようになる
画像Some chairs where I was by SammCox
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第三者の視点を持つ
まずイスを向かい合わせて2つ用意します。
イスは座れるものならなんでもいいですよ。
座り方の例としては
ひとつ目・・・自分が座る
ふたつ目・・・関係を改善したい相手が座っているイメージ
第三者としてさらにもう一人の自分がその二人の様子を観察しているイメージです。
おそらくこのイメージが出来上がった時点でかなり冷静に自分を見られるようになっていると思います。
【例】期日を守れなかった同僚への怒り
同僚は共同であるプロジェクトを進めていました。
最終調整は同僚に任せることになっていました。
同僚も「必ず期日までに間に合わせるから大丈夫」と自信満々でした。
ですが結果的にその同僚は期日を守ることができず、得意先に迷惑をかけることになりました。
同僚からこれといった謝罪もありません。
結果的には共同責任ということで僕も怒られることになりました。
僕はこの同僚にとても腹を立てています。
もちろんイメージの上でです。そしてさらに第三者としての僕はそんな2人を冷静に見ています。第三者の目で観察していると、イスに座っている僕はとてもイライラしているようにみえます。
そして同僚のことを睨んでいます。イスに座っている僕は「どうしてなにも言わないんだろう」と自分のことばかり考えています。同僚は目を合わせないようにしてうつむいたまま...
第三者として見たとき、ではこの同僚はどのように感じているんだろうという視点が生まれてきます。
そしてイメージの中で第三者の僕はその同僚に聞いてみるわけです。
「彼(イスに座っている僕)はイライラしているようだけどなにかあったのかな?」
するとその同僚は「たぶん俺のせいだと思う。期日までに終わらせなければならない仕事があったんだけど、遅れてしまった。」
そこで第三者の僕は「でもどうして遅れてしまったの?」と聞いてみます。
ここであらためて実際の同僚のことを思い出してみます。
そういえば昨日からマスクをしていた。
たまに咳き込んでいたかもしれない。風邪をひいていたんじゃないか?
そんなことを思い出した上でさらにイスに座っている同僚の話を聞いてみます。
「うん、なんとか間に合わせようと思ったんだ。でも風邪でどうしてもつらくて作業がはかどらなかった。それでも絶対に間に合わせると言った手前、それは言い訳だと思って言えずにいた。」
それを聞いたイスの僕はハッと気づくわけです。
あ、そういえば一方的にイライラしていたけど、どうして間に合わなかったかちゃんと聞いていなかった。
自分の仕事で手一杯で具合が悪そうなことにも気づいていなかった。
仕事は仕事だ。でも思いやりがなかったかもしれない。
そもそも共同のプロジェクトなのに最後は任せきりだったな。
彼はそんな僕の姿勢を見て助けを求められなかったんじゃないか。
自分が相手の立場だったら同じように感じていたかもしれないし...
そして第三者としての僕は「仕事はひとりじゃできないよね。相手の立場も考えて進めていこうよ」というアドバイスをします。
こんなふうにストーリーを展開していくと相手側のリアルが見えてきます。
イライラしてしまう人の特徴
自分のことを100%わかってもらえなくてもいいんです。
こちらを気遣ってくれている、と感じるだけで満足できます。
ということはこちらも相手に同じように感じてもらう必要があるんですね。
相手のことなんて少しも考えない人もいますが、そういう人にとっては「ひとつ目のイス」しかないんです。
相手がいない。ただイスにドカッっと座って自分のことをわかってもらえるのを待っているだけ。
だからイライラするんです。
ポジション・チェンジを行うことで自分と相手との関係性がよく見えるようになります。
間違いなく相手の立場になって考えられるようになります。
口ではそういっているけれども、本当は逆のことを考えている。
そんなホンネとタテマエもわかるようになりますよ。
まとめ
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