仕事を任せられない人は人を育てられない
仕事で人を育てるということは仕事を任せるということです。部下が仕事をなかなか覚えられないのは上司がきちんと仕事を教えていないからです。
でもたいていは
部下のヤル気がない
話を聞いていない
能力が低い
など決めつけてしまい、最終的には「あいつは仕事ができない」という烙印を押してしまうことになります。
でもこれ、本当にそうでしょうか?
1.自分が新しい目標を持つ
仕事は自分で作っていくものです。与えられた仕事をこなすこととは別に、「もっとこんなことをやってみたいな」という目標が必要になります。
すると「これをやるためには自分1人ではムリだな」ということがわかってくる。そこで、部下に仕事を教えてステップアップする準備をするわけです。
新しい目標がないとどういうことになるのか?
自分に新しい目標がないと、今与えられている仕事がすべてになってしまいます。だから仕事が手放せなくなるんです。つまり、部下に仕事を教えられなくなる。
自分がどんどん教えてしまうと自分の仕事がなくなってしまうんじゃないか、居場所がなくなってしまうんじゃないかという不安が生まれてしまう。
そこでもったいつけてなかなか教えなかったり、教えてもすぐにダメ出しをして部下のモチベーションを落としてしまったり。
僕もそういう上司をもったことがあるのですが、あまりにも教えないので社長に直訴したこともあります^^;
仕事を任せられない人は目標がないので「次のステップ」が見えていないんです。
なので、まずは「次に自分は何をやるのか」という目標をあらかじめ作っておきましょう。
2.自分と同じレベルを求めない
これも大事です。
はじめから自分の分身を作ろうとしてしまう人がいますが、これはまずうまくいきません。自分が作った型は自分だからうまくはまっていただけなんです。
たとえばパソコンでいろんな文書のフォーマットを作成したとしても、人によって使いやすいフォーマットは違います。
仕事の本質は変わりませんが、仕事のやり方、進め方はそれぞれやりやすい方法があるはずです。それを引き出してあげた方が部下はヤル気を出しますし、成長スピードもアップします。
逆に自分が教えたやりかたにこだわり過ぎると、どうしても「それじゃダメだ」という言い方になってしまい、結果部下の自信を失わせることに。
「やっぱり俺がやらなきゃだめだな」なんていって、結局誰もステップアップできないというのは最悪です。
3.できたことは素直に褒める
だからこそ、仕事を引き継いでいる最中は、とにかく部下を褒めまくりましょう。
失敗したことというのは本人がよくわかっているので、特別指摘する必要はないんです。それよりも、その中でできたこと、特に自分には思いつかなかったアイデアをもっていたりした場合は絶対に褒めるべきです。
これ、本当ですよ。
食べるために働いているというのは確かにそうなのですが、それだけではないんですよね。上司がちゃんと見てくれている、という安心感、結果は出せなかったけど、努力したプロセスは認めてもらえた、という経験は必ず次の行動につながっていきます。
シンプルに考える
仕事を複雑にしているのは意外と自尊心とか虚栄心とか、「自分だからここまでやれたんだ」という自己執着である場合が多いです。
一歩引いてみればなんてことはない、ただそこに仕事があって、それをどう組み立てればいいか、ということだけなんですけどね。
なので僕はステップアップするために仕事を教えるようにしているんです。そのためにマニュアルを作ったり何度も同じことを説明して伝えていく。
部下は育ち、自分もステップアップできる。こんないいことはありません。
僕は毎年違うことにチャレンジしたい方なので、毎年毎年同じ仕事を同じように繰り返して・・・なんて考えただけでゾッとしてしまうんです。まぁそういう意味では僕はちょっと変わり者なんでしょうけど^^