自分がやった方が早い...のか?
仕事を任せない上司
上司は部下の経験が浅いうちは、仕事を任せることにちゅうちょするものです。ですがいつまでも雑用ばかりやらせてしまっては、部下はなかなか成長できません。うまくいってもいかなくても、責任ある仕事をすることは部下にとって大きな学びがあります。
僕も社会人になりたてのころは雑用しかやらせてもらえなかった時期がありました。もちろん雑用といっても業務上必要なものですから決して無駄なことではないんですけどね。ただ、並行してメインの仕事もやらせてもらえていたら、もっと早く仕事を覚えられたのに、という感覚はありました。
仕事は全体像が見えると理解が深まるので、早い段階で一通りの業務を任せた方が成長のスピードも速くなります。
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部下の話を聞かない上司
できる上司ほど部下の話に耳を傾けることができなかったりします。僕にも苦い経験があります。
僕にはじめてできた部下がいたのですが、彼はとても頭の回転が速く行動力もあり、なおかつ人懐っこい性格で、「すごい奴が来た」と期待していました。ところが数か月後に「やりたいことができないので辞めます」と言って去っていきました。
僕はできる範囲で彼のスタイルを尊重し、結果も出始めていたので誇らしい気持ちでいっぱいでした。ですが彼の物怖じせずに意見する姿勢を嫌う人間もおり、加えて当時の会社の慣習とか不明瞭な指示系統などの長年染みついた体質は変えることができませんでした。完全に僕の力不足です。
もちろん僕も上司に掛け合いました。でも結局は彼の話も僕の話も聞いてもらえず、彼を止めることができなかった。そのことが悔しいやら申し訳ないやらでしばらく引きずっていたことを思い出します。彼が辞める日に喫茶店でコーヒーを飲みながら話をしたのですが、やはり将来のことを考えたら不安になったと言っていました。そんな経験があるからこそ、僕はさらに上の立場になったら部下の話を聞ける人間になろうと心に決めました。
上司の仕事は部下と一緒に成果を生み出すことですから、部下の能力を引き出せないのはやはり上司(会社)の責任だと思います。
自分のコピーを作ろうとする上司
部下の成長=自分と同じことができるようになる、と思っている方は意外と多いです。ですが性格も育ってきた環境も全く違う部下に、自分と同じものを求めることには無理があります。守るべきルールや基礎などはきちんと覚えてもらう必要がありますが、それ以上のことは自分のやり方を見つけてもらった方が部下の自信にもつながりますからね。
僕は上司の仕事は部下を徹底的に管理することではなく、部下が自分で考えて行動できるような環境を作ることだと思っています。だからこそ部下は自分の大切なパートナーとして接する必要があると思うんですね。
たとえば同年代のベテラン社員だけで会議などをやると、なかなか斬新なアイデアは出てきません。でもそこに若い社員が入ると視点も感覚も違うためか、思っても見なかった意見が出たりします。彼らは仕事の経験は少ないかもしれませんが、その分冷静に会社のことを見ているんですね。
自分は自分のやり方で結果を出してきた。でも部下は部下のやり方で結果を出せばいい。仕事のこの部分に関しては自分より部下の方がよっぽど優秀である、なんてことはいくらでもありますからね。
ひとつの正解にこだわるより、いろんな意見があり、たくさんのチャレンジがあって上司も部下も成長し続ける。まぁそれこそ理想じゃないかと言われそうですが、僕はいつまでも部下の言葉に耳を傾けられる存在でありたいと思っています。