仕事ができる人は常に段飛ばし
仕事ができる人はどのような仕事でもすぐにコツをつかんでサクサクと先に進んでいきます。そして「仕事ができない人」を見て「どうして自分と同じようにできないんだろう」と思うわけです。
ですが得てして仕事ができる人は仕事ができない人を育てられないのはどうしてでしょうか?その大きな要因は自分の歩幅がスタンダードだと思っていることです。
モチベーションの源泉はみんな違う
仕事ができる人は問題を解決したりスキルアップすること自体に喜びを感じることができます。日々新しいことにチャレンジすることは当然のことだし、毎年レベルアップしていくことが人生の目標になっていたりする。
仕事でステップアップすることそのものがモチベーションの源泉になっているわけです。
そのため、仕事ができる人は自ら成長し続けるサイクルを作ることができていると言えます。
ただし、全ての人にとって仕事のステップアップが働く目的というわけではありません。お金のため、家族を養うため、という方も多いでしょう。
言われたことはきちんとやるけれど、わざわざ大変な思いをしたくはない。そういう価値観とか人生観もあるわけです。つまり、仕事ができる人とできない人とでは根本的な人生観とか価値観にも大きな違いがあるということです。
これをどちらが優れているとか劣っているという見方をしてしまうと、
仕事ができない=ダメな人生
と決めつけてしまうことになります。仕事ができる上司から「何でそんなことができないの?」みたいなことを言われると、仕事ができない人はますます自信をなくして消極的になり、スキルアップも望めない、という悪循環に陥ります。
プロセスを見える化できない
仕事ができる人は10段階のステップがあったとしたら、1から5、5から10と一気に駆け上がることができます。
そのため、1から5に行く方法はわかるのですが、1から2、2から3のステップを教えることができないわけです。
教えられないというよりは、自分が意識せずに駆け上がっているので、どうしてそんな細かいステップが必要なのか、ということがわからない。
できる人ができない人を育てられないのは、上のステップに行くためのプロセスをわかりやすく見える化することができないからです。
「情報量=伝わりやすさ」ではない
これは僕自身経験のあることですが、人に何かを伝えるということは必ずしも情報量が多ければ良いというわけではない、ということです。
わかりにくいことかもしれないからと思って、できるだけたくさんの情報を詰め込んで説明したら、よけいに理解してもらえなかった、ということがあります。
相手に正しく伝えるには、相手がどのような受け皿を持っているかをまず知らなければいけません。
どの部分を詳しく説明すればいいのか、逆にどこを要約すればいいのか。あるいは数回に分けて伝えた方がいいのか。
この受け皿はひとりひとり違うんです。だからこそ、伝えたいからといって情報をぎゅうぎゅうに詰め込む、というのは返って逆効果です。
伝えたければ、伝えようとしている人のことをよく知る必要があるわけです。
何をどこまでわかっていて、どこが弱いのか。どの部分の理解が浅いのか。そういうことを分かった上で相手によって話し方、組み立て方を変えて行く。
「前提」の違いを知る
仕事ができる人は問題が発生したら「どうやったら解決できるか?」と考えます。解決できる前提で考えると具体的な方法が見つかりやすくなります。
そのため、仕事ができる人は問題解決が速いわけです。
一方仕事ができない人は、まず問題を解決できない理由を探します。そして「◯◯だから無理」という結論を出してしまう。結果、いつも同じような問題から逃げることになり、成長が止まってしまうということになります。
コントロールするかコントロールされるか
この違いはどこから来るのかというと、コントロールできることに目を向けているかどうかということです。
「どうやったら解決できるか?」という考え方は、自分ができることは何か?と「できること」に目を向けている。
一方、「◯◯だから無理」という考え方は、自分がコントロールできない事柄に目を向けている。
目の前に同じような問題が発生しても、全く違ったアクション、反応を起こすのまさにそのためです。
理解できない相手が悪いのか?
そういう意味で、「仕事ができない人が悪い」という考え方は間違っています。
確かに仕事ができる人とできない人がいるのは事実です。
肝心なことは、なぜ仕事ができないのか?ということを冷静に分析し、どうすれば仕事ができる人に育てることができるのか?を考えて決してあきらめないことです。
なぜあきらめてはいけないのかというと、仕事はチームワークだからです。
どれだけ個人の能力が高くても、ひとりでできることというのは限られています。一人でできる仕事だけで満足してしまうと、いずれ「仕事ができる人」もどこかで必ず成長が止まる日がくる。
だからこそ、仕事ができるひとは仕事ができない人を育てることで、大きな壁を乗り越えることができます。
まとめ
自分の基準から離れることができた時はじめて、できない人を育てられるようになります。
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