あなたの話に足りないモノ
「伝わる話し方」と「伝わらない話し方」というくくりで考えるなら、伝わらない話し方には絶対的に不足している要素があります。
それはロジカルに組み立てるということです。
話が上手なひとはロジカルに話すことができます。
ロジカルであるということは、要点がまとまっていて、原因と結果の関係が明確であるということです。
だから話の内容が聞いている人の頭の中にスッと入ってくる。
言葉の使い方や発声の仕方などももちろん大切ですが、一番大事なことはやはり「ロジカルかどうか」ということだと思います。
伝わらないのは相手のせい?
話が下手な人というのは自分の今の気持ちや自分が体験したことをそのまま話してしまう。
するとどうしてそういう気持ちになったのか、あるいはそもそもどうしてそのような体験をすることになったのか、という「なぜ?」に対する答えが見つけにくい。これは聞き手の中に「?」がどんどん増えていくということです。
そんな相手を無視して話を進めてしまうから、聞き手の頭の中が整理されない。結果、「何を言いたいのかわからなかった」という印象が残ってしまうわけです。
これ、意外と大人になってからでもできていない人は少なくありません。社会人になっても、自分の話が伝わらないことを「相手の理解力がないからだ」なんて言う人までいます。
相手の反応を観察する
かくいう僕もそんな話し方をしてしまう人間でした。
話し下手な人というのは相手のことを全然見ていません。自分の話がちゃんと伝わっているかなとか、興味を持ってくれているかな、といった観察をする心のゆとりがない。視野が狭い状態です。
もう自分の中にあるものを吐き出すことしか考えていないわけです。だから相手に対する配慮がなく、伝わりにく話し方になってしまう。
ではどうすれば視野を広げられるのかと言えば、相手をよく観察することです。相手をよく観ていると、こちらの話がわかりにくなったり、情報が不足していたりすると、必ず軽く首をかしげたり、ちょっと怪訝な顔をしたりしています。
相手を見ていれば自分の話が伝わっているかどうかがわかるわけです。
省略しないで話す
人に何を伝えようと思ったら、やはり基本中の基本である5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)は意識し過ぎるくらい意識して話すようにすべきです。
僕達日本人は島国であるがゆえに、お互いが「違う(different)」ということを忘れがちです。なので、相手に何かを伝える時に情報を省略してしまう。「同じ日本人なんだからこれくらい言わなくてもわかるでしょ」という「甘え」があるからです。
この甘えが時に一方的な話し方につながってしまうわけです。
中でも’Why(なぜ)’の部分はロジカルな話し方をするためにとても重要な要素となります。
聞き手がスッキリする話し方
僕たちは「それってどういうことだろう」という疑問が残ると、それがハッキリするまで気になりますよね。
例えば、それを逆手に取ったのが推理小説や刑事もののドラマ。
序盤にさまざまな「伏線」があって、それがいつ解決(解明)されるのかが気になって、結局最後まで読んで(観て)しまう^^;
このように意図的に作り出されたモヤモヤが解消されるから「あぁ、おもしろかった」「そういうことだったのか」と納得するわけです。
誰かに話をする場合も同じです。聞き手がスッキリするように話を組み立てればいいだけです。
「だから」と「なぜなら」
僕がこの人は話が上手だなと思う人というのは決まって「だから」「なぜなら」という原因と結果をつなげる言葉を使います。
ロジカルに話すために一番はじめに気をつけなければいけないことは、やはり原因と結果を明確にすることです。
そしてなぜわかりやすく話すことが大事かと言えば、それは聞き手のストレスを減らしてあげるためです。聞いてくれる人の気持ちを考えたら、貴重な時間を使って聞いてくれているのだから、一発で理解してもらえるように工夫しなければなりません。