商品はいいんだけど
ほしいのは信頼関係
僕は今の会社に勤めて10年以上になりますが、その間に様々な職種の、たくさんの営業担当の方と会う機会がありました。
名刺の渡し方とか身だしなみや言葉遣いというのももちろん大切ではあるのですが、そこは大前提ですし、本質ではないと思っています。
たとえば通信販売のサイトでもあまり聞いたことのない会社のサイトで購入するのはちょっと抵抗がありますよね?
でも「Amazon」とか「楽天」のように大手で認知度が高いサイトからは割と抵抗なく購入してしまいます。
これは扱っている商品の内容もありますが、仮になにか問題が発生してもきちんと対処してくれそうだ、という「保証」とか「信頼」というものがあるからです。
通信販売のサイトは顔が見えない分、不安を緩和するためにサイトのデザインや構成にはかなり工夫をしています。
まさにユーザーからの「信頼」を得るための工夫です。
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1.話を聞く
相手に関心がないと話を聞くことができず、自分の商品を売ろう売ろうとしてしまうため、相手からすると押し付けられる感じがしてしまいます。
売りたい気持ちもわかりますが、まず相手に関心を持って話を聞くことに集中します。
話を聞いてもらえると自分の要望を伝えることができた、という満足感が生まれます。
黙って話を聞いてくれた相手に悪い印象を持つということはありません。
買う側はその商品に関心があって商談に望んでいます。
その時にほしいのは商品の良さ以上に「信頼」です。
まずはしっかりと相手の話を聞いて理解を深め、信頼を得ることが最優先です。
こちらのことをわかってくれていると思う相手から買いたいと思うのが人間ですから。
2.フラットに付き合う
あまりにも低姿勢だと、この担当者は自分のところの商品に自信がないのかなと思うこともあります。
謙虚ではあっても、商品については堂々と説明する。
どうしても商品を気に入られなければ仕方がない、くらいの自信を持っているとそれは確実に相手に伝わります。
逆に自信なさげにしていると、最終的に値段の交渉だけになってしまいます。
営業担当者の姿勢ひとつで商品やサービスの価値を下げてしまうこともあります。
3.忘れさせない
ちょっと近くに来たもので。
こんな情報があったので。
そうして不定期でも月に何度か足を運んでくる営業マンには親近感がわいてきます。
もちろんこれも、ただ買ってもらいたいから足を運ぶだけでは押し売りになってしまいますし、そういうことは相手にも伝わってしまいます。
押し売りは誰もが嫌いますので、回数が増えるほど相手にされなくなります。
おかしなものですが、営業が上手な人は商談の時以外はあまり商品の話をしません。
会社とか地域とかトレンドとか、もっと大きな枠組みで話題を提供し、またその話の中で相手の隠れたニーズを探っているともいえます。
頭の中に様々な商品やサービスが並んでいて、相手の状況に応じて最適なものを提案していく。
デキる営業マンというのは知識も豊富ですが、決して押し売りにならないようにベストなタイミングを見極めるスキルも身につけているようです。
4.欲しい情報を持ってくる
自社が扱っている商品に対する知識量もさることながら、全く畑違いの分野にも関心を持っています。
そういう意味では独自の人脈を持っているのも特徴です。
「こういう商品を探しているのだけど」と話を振るだけですぐに商品や他の取引先を紹介してくれます。
それも場合によって自分のところは通さなくても良いと考えています。
これは自分がトクをすることだけを考えていたらなかなかできません。
自分が大切にしている取引先にはどこも売上を上げて儲けてほしいと考えている。
こういう営業マンは確かなものしか紹介しませんし、だからこそ信頼がおけるとも言えます。
5.フォローする
売ったら売りっぱなし、という方も多いです。
なにかあったら言ってください。
お変わりはないでしょうか?
こういった電話が一本あるかないかでまったく印象が違ってしまいます。
これはテクニックというより、どれだけ自分が担当している取引先のことを普段から考えているかという部分です。
気になるからメールをする、気になるから電話をかける。
このような姿勢は会社そのものの信頼関係を築くことにもつながります。
まとめ
「あなたが言うのだから間違いない。」
そう思われたら強いと思います。
どこまでこちらのことを親身になって考えてくれているか、という部分に心を動かされてしまうのが人間です。
ただ単純にデータだけもってきて、比較するとうちの方が優れていてお安く提供できますよ、と言われてもこちらはちょっと構えてしまうものです。
テクニックだけではサービスも含めてものを売ることはできません。
買う側の立場としては、基本的に不安があるんですね。
それが本当に良い商品なのか、費用に対する効果はどうなのか。
安心するのはその商品そのものに対してもそうですが、なによりその商品を販売する営業マンが信頼できるかどうかということにかかっていると思います。