部下が育たないのはワケがある
職場で上司に渋い顔で「そんなこともできないの?」と言われたことはありませんか?
あるいは部下に対してそう思ったことがある方もいると思います。
ベテラン上司はプレイヤーとしてたくさんの経験を積んでいます。
それゆえに基礎すらおぼつかない部下にイライラしてしまうのでしょう。
自分が「できて当り前」と思うことを相手ができないともどかしく感じるものです。
「こんな簡単なことどうしてできないんだ」と。
しかし部下にとってははそれがプレッシャーとなりますし、モチベーション低下にもつながります。
これでは部下は育ちません。
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部下に期待し過ぎない
なぜ「できて当り前」と思ってしまうのかといえば、上司が部下に期待し過ぎているからです。
そんなこと自分で考えればできるはずだという前提で接しているから、「もっと自分の頭で考えろ」という言い方になる。
そもそも仕事の経験がなければ自分の頭で考えるということはできません。
うまくいくこともあれば、ミスしてしまうこともある。その中で「この状況の時はこういう対処をする」という蓄積があってはじめて、選択肢をたくさん持てるようになるわけです。
経験の浅い部下に自分の頭で考えろというのはあまりにも酷な対応だと思います。
上司は部下に期待しすぎてイライラし、部下はそのプレッシャーからモチベーションを落とす。
一日でも早くこの悪循環から抜け出さなければいけません。
上司から変わる
結論から言えば、上司から変わるのが改善への近道です。
部下に期待し過ぎるということは、部下の力量を把握できていないということ。
「どうしてできないんだ」と言っているだけでは何も変わらないので、まずは部下が何ができて何ができないのか、ということを知ることから始めてみましょう。
何度も経験がある仕事をミスしてしまうのか、それともはじめての案件でミスしてしまったのか。
部下の立場になって考えてみる。
仕事を与える前に、部下が今携わっている仕事についてどこまで理解できているか確認するのも上司の仕事です。
そんなコミュニケーションを通して信頼関係も育まれていくものです。
部下が育たないのは、部下とのコミュニケーションが足りないからです。
部下のスキルやヤル気のせいにする前に、上司自身の接し方を変える必要があります。
特に仕事を抱え込んで忙しくしているという方は部下への仕事の振り方が間違っている場合が多いです。
今の自分と同じクオリティを求めていたり、極端に苦手な仕事を一方的に指示していたりすると、「そんなこともできないの?」と言いたくなるわけです。
それなら「自分がやった方が早い」と仕事を抱えてしまう。
ですがどんなに能力が高くても、ひとりでできることは限られていますから、職場全体のパフォーマンスは上がりません。
部下が育つ環境を作る
では部下を育てるとはどういうことでしょうか。
端的にいえば、部下が育つ環境を作ることです。
これは部下の視点で考えてみるとわかりやすいと思います。
必ずしもお金のためだけに仕事をしているわけではない。
評価されたいし、スキルアップしてできることを増やしていきたい。
どうせ働くなら仕事に面白みを感じたいはずです。
なので部下が自信をつけられるような仕事の任せ方をした方がモチベーションもアップします。
ただしすぐに答えを教えない
困ったときにすぐに助けたり、答えを教えることは部下を依存させてしまいます。
放任主義でも過保護でもダメというのは子育てに通じる部分がありますね。
子供は甘やかせると自分でやればできるようなことも親にやってもらおうとする。
また、間違いを指摘されなれば、なにをやっても許されるんだと勘違いしてしまいます。
なので、子供の成長に合わせて家の手伝いをさせたり、おつかいに行ってもらうという経験をさせることで、少しずつ「自分でできること」が増えていく、それが自信につながります。
仕事でもダメ出しをして部下の仕事を奪ってしまうのではなく、できるだけたくさんの経験をさせることで部下の成長を見守るくらいがちょうど良いと思います。
チェック
まとめ
上司から変わるというところが最大のポイントです。「そんなこともできないの?」そう思ってしまった時、問題は部下にではなく自分自身にあると考えた方が具体的な解決策が見えてきます。